先週の授業の報告(6/24-27)

 この1週間は比較的涼しかったですね。ずっと長袖だった気がします。

6月24日(火)
1限 国際協力論I(9回目)…国際協力の理論と歴史の5回目。いよいよ90年代以降の新たなトレンドについての話です。地球規模問題群(グローバルイシュー)という言葉が聞かれるようになり、環境問題を中心とした地球規模での取り組みが必要ななか、これまでの国際協力の形がどのように変わっていったか?ということに注目して頭の中を整理してみてください。持続可能な開発やら参加型開発やらについてお話ししましたが、次回頭に簡単に人間の安全保障についてお話しして皆さんには時間内にレポートを書いてもらおうと思っています。これまでの授業を整理して来て下さいね。テストではないので持ち込みは可能です!

2限 基礎演習[2年生](9回目)…またまたテキストの輪読。今回は水がテーマ。最近なぜだか良く「バーチャルウォーター」という言葉を聞くようになりました。仮想水とも呼ばれる、目に見えない、けれど使われている水。そしてボトル水やら水道やら。21世紀は水をめぐる戦争が起こると良く言われるんですが、国際協力という側面からも水を巡る問題は数多くあります。広く水に関して学にはよい教材でした。ゼミ発表者はおやすみしないように(笑)。あ、あと次回は夕方からバーベキュー大会です!!

4限 国際社会論[非常勤](9回目)…NGOの活動の種類についてお話ししていますが、今回はカンボジアで農村開発活動に取り組むNGOを実際に取り上げて話をしました。学校を建てるだとか医療活動をするというのは良く話としても聞きますし、イメージもしやすい活動ですが、案外農村開発だとか農業支援というのは分かりづらい部分かもしれません。授業で少しはイメージが広がっていればいいのですが、いかがでしたか?次回はアドボカシー型のNGOの活動についてお話ししますね。


6月26日(木)
3限 NGO論I(10回目)…はじめに延び延びになっていたタイで活動するNGOについて映像を紹介しました。教育支援活動を中心として活動をはじめ、その後さまざまな形の活動へと幅を広げている団体でしたね。代表の方の人柄や彼女が持つ経験も踏まえて、途上国のNGOの活動がどのようなものであるか?ということが少しでも伝わってくれていればいいな、と思います。そして、続いて前回の授業ではレポートに取り組んでもらいましたが、その中に課題としてもあった日本のNGO活動についてその起源を中心に話しました。仏教に由来する慈悲の心から生まれる社会貢献活動は必ずしも現在のNGOに直接的に繋がっているわけではありませんが、欧米のキリスト教に由来するかつての活動と同じように宗教をベースとしたものが日本でも考えられますよね。次回はさらに詳しく日本のNGOについて紹介します。

5限 卒業研究[4年生](10回目)…6月最終日のこの日は受講生それぞれの卒業研究に関する資料集めや読み込みをしてもらう時間としても最終日。これからは授業中の時間を使ってやることができないですが、夏休みにも入ることですし、少しずつ一人ひとりで取り組んで下さいね!

7限 国際協力論II(10回目)…前回がレポートであったこともあって今回はちょっと骨休めでビデオ…というわけではなかったのですが、今後数回のテーマである「貧困」というものを考えるための材料として、アフリカのとある村での現実の生活の一端を皆さんと共有しました。映像的にはおとなしいけれど、実際の生活がどのようなものか?ということは伝わったのではないかなぁと思います。この現状をイメージしながら、今後の問題領域別の国際協力の取り組みについても考えていきましょう。


6月27日(金)
5限 国際協力実践論I(11回目)…今回は難民をめぐる援助・支援の現状をビデオを通じて見てもらいました。難民を受け入れる側の政府や自治体の取り組みと国際機関の位置づけ、またぼくたちが良くマスコミを通して知る難民問題とはまた違って実際の難民たちがどのような状態に置かれ、また生きているのか(まさに「生きている」という感じでしたね)、について考えてもらう材料になっていればいいなと思います。難民支援には日本政府もたくさんのお金を拠出しています。国の行う援助は誰をどのように助けるためのものなのか?またどうすればよいのか?について、難民ひとりひとりの視点から考えてもらえればいいなと思います。次回は春学期最後の外部講師の方の授業です。楽しみにしていてください。

6限 専門演習[3年ゼミ](11回目)…債務問題を取り上げたテキストの輪読を続けて。今回は債務がどれくらい存在し、途上国はそれにどのように対処しているのか?という部分でした。90年代から債務返済額が急激に伸び、同時に途上国の社会に対して大きな影響をより与えるようになりました。「借りたお金は返さなければならない」という道理はよくわかるものの、なぜ返せないのか?借りた額がどのように膨らみ、人々の生活を圧迫しているのか?ということを考えるとそう簡単な話ではないということをこれまでにも読んできましたが、今回は債務国側にとってみて、それはどのような状況にあるのか?ということについて考えるところでした。皆さん、いろいろと発言してくれて良かったです。次回も是非。

 春学期(前期)の最終月に入ります。これから"テスト"という非常に現実的な問題が絡んできますが、内容的にも大切な部分(まとめ)に入りますので、分からないところがあれば解決するようにしていって下さいね。もちろん、質問に来てくださっていいですから!では、来週もよろしく。