夜中の高架下の出来事

 ついさっき郵便局に小包をもって行ってきた。僕のところのNGOの前代表がサミットのために帰国していて日本全国を飛び回っているのだけど、売り物の冊子を東京に送れとの指令を受けて前事務局長/現代表が足として使われているわけだ。ちなみに現事務局長の自宅を前代表は福岡での定宿にしていて居候をしている。そろそろ東京経由北海道洞爺湖行きの旅に出るはずなのだけれど、2ヶ月も全国を「海外ゲスト」として飛び回っていてウチの団体の名前を(そして冊子を)売ってくれていることだろう(売上はいつもらえるんだろうか?)。そのことに感謝して夜中に郵便局までひとっ走りして小包を出すことになった。

 ひとっ走り、といっても雨も降っているし小荷物を抱えて自転車で行くわけにも行かずに車で行ってきた。どうやら雨男な具合は相変わらずらしく、駐車場を出たあたりから小降りだった雨が強くなる。やれやれ。

 線路の高架下の信号がない道を通って駅前までいく。途中で高架を反対側にくぐらなければならないのだけれど、左右を確認して角を曲がり高架下にいくと高架のおかげで窓を打ちつける雨の音が止む。アンコールを求めて鳴り響く拍手がアーティストの登場で一瞬にして止むように雨の音がしなくなる。ふと同じく雨の遮られた歩道を見ると大学生らしき女性が2人、歩道の真ん中に腰を完全に下ろしているのが見えた。「雨宿りかな?でも歩道の真ん中に二人して腰を下ろさなくてもいいのにねぇ」と思って車をパスする間眺めていると、ちょっと手前のコンビニの袋からお弁当を出している風。一人は完全にお弁当を食べはじめている。

 ヤンキッシュな風貌でもなく、普通の女子大生風なのだけれど、彼女たちは歩道に座ってお弁当を食べている。なんだか不思議な感じだ。戦後に「ギブミーチョコレート」なんて米兵にもらったお菓子をもらったそばから食べ始める子どもたちをイメージしてもらうとたぶん近い。いや、僕も実際には知らないけど。ほんの2口ばかり一人の女性が食べたかどうかというぐらいで車を発進してしまったために彼女たちが無事食べ終えられたのかどうか分からないのだけれど、どうにも気になって帰りも反対側から同じ道を帰ってきて高架下をくぐったときには某コンビニの袋が無造作に投げ捨てられているだけだった。ほんの15分前の出来事が実際にあったというゴミ袋的事実だけは残っていたのけけれど。

 帰りは行きよりも雨足は強くなっていた。けれど彼女たちは既にいなかった。ただお弁当をお花見気分で行き交う車と雨音を聞きながら食べたかったという風情からか、それともどうにも家に帰るまで我慢できないぐらい強烈にお腹が空いていたのか。最早知るべくもないけれど、やっぱり夜中に高架下でお弁当を食べてゴミを置いたままにその場を後にしてはいけないと思うんだ。

 ちなみに雨。僕が家に帰り着いて一息ついた今はなんとも小降りな雨模様。雨男、ナイス。

300kcal以下のま夜中ごはん

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