カンボジアのネット社会

 AFBニュースにこんな記事が。

カンボジア社会を変えていく若いブロガーたち
(前略)人口1440万人のカンボジアでインターネットを利用できるのは、わずかにその10%程度だ。
 ホー・ビラクさんは、保守的な小国のカンボジアを世界に向けて開かれた国にしようと精力的に活動しているカンボジア人ブロガーの1人だ。彼らは自分たちのことを、カンボジア(Cambodia)の「C」とブロガー(blogger)を合わせて「クロガー(clogger)」と呼ぶ。彼らの活動はカンボジア社会にこれまでになかった変革をもたらすかもしれない。
■自分の意見を公に表現
 カンボジアのブロガーはブログで日記を付け、人間関係や学校や社会のことを考えるきっかけにしたり、自分の意見を表明したりしている。これまでには考えられなかったことだ。
 NGO「オープン・インスティテュート(Open Institute)」でブロガーを訓練する活動をしているベ・チャントラ(Be Chantra)さんは、「このように公の場で表現することは、わたしたちの社会ではこれまであり得なかった」と語る。(後略)

 NGOではもはやネットを使った取り組みは当たり前でありながら、カンボジアのローカルNGOにはまだまだネット環境が整わず、日本から支援するNGOとの連絡がスムーズにいかないという現状もある。以前訪れたローカルNGOでは街中まで原付で向かってネットカフェからレポートを日本に送っているという話を聞いたことがある。あれから約2年。カンボジアでも徐々に変化が生まれているんだろう。

 記事にクロガーたちのこんな声も載っている「政治は容易に人を傷つける。それはナンセンスだ」。ブログには政治の話題は載せないという。言うまでもなく、ポルポトの時代を経たカンボジアの人たちが大文字の政治と向き合う姿であり、仕方ないと思うところもある。その一方で、記事の最後に掲載されたこんな声に力強さをかいま見る。「ブログを通じて人々は考え方や、ものを言わないという習慣を変えていきます。誰でも、社会がどのように発展していけるのかということを話すことができるんです」彼女のブログは以前、政府与党を批判する記事を載せて脅迫を受けたという。しかしそんななかでも少しずつ声をあげ、輪を広げていくことで社会を変えていくという姿勢に大きく首肯するし、応援したくなる。