ゆっくり家事とともに楽しむ〜海堂尊『ジェネラル・ルージュの凱旋』

今日は一日家事。台風一過…ほどの思い切りはないものの雨も降らなかったので洗濯。
リビング回りの片付けを少し(笑)だけして、夕飯作って…と平穏に過ぎる予定が、
洗濯機を1回回したあと、相変わらず二層式の我が家の洗濯機の洗濯槽から脱水槽に洗濯物を
移動させたあと洗濯槽をのぞき込むと糸くずが多数水の中をゆらゆらと…。とうとう、
くず取りフィルターが破れてしまったようで、仕方なく洗濯を中断してホームセンターへ。

ホームセンターにはいくつかフィルターは並んでいるものの、すでに15年目なものの、
我が家の二層式洗濯機に対応するフィルターなんぞ予想通りあるわけもなく(いや、正直、
少し期待はしていたけれど)、とりあえず袋状の交換式フィルターをひとつ購入して帰宅。
あとは運が良ければ何とか…と思って、台に袋状のフィルターを無理矢理周りつけて、
設置してみると……おー、なんとかゴミをとってくれそうな感じで設置完了。
無理矢理感は間違いなく否めないものの、なんとか最低限の仕事はしてくれそう。
あとは洗濯機が壊れるまではこのままで行くんでしょう。ああ、エコロジーな洗濯機(笑)。

洗濯機を回しつつ、今日はゆっくり読書…とたまった仕事を放棄して読んだのが、
海堂尊の『ジェネラル・ルージュの凱旋』。メディカル・エンターテイメント第3弾。

ジェネラル・ルージュの凱旋
海堂 尊
宝島社 (2007/04/07)
売り上げランキング: 4043
おすすめ度の平均: 4.5
5 田口医師のセコい手にニンマリ。
5 読後感が気持ちいい
4 海堂ワールド

うーん、前作『ナイチンゲールの沈黙』と比べても雲泥の評価だな。
田口&白鳥のシリーズ3作目はこんな内容。

 桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。

 将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか……。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。

相変わらずamazonの評価では「ミステリーじゃない」と書かれているものの、
もはや出版社側も「メディカル・エンターテイメント」っていっているんだからいいじゃないか!
と、ミステリーファンでもなんでもない僕は思ってしまうわけですが、「このミス」出身だから、
これはずっといわれ続けるんだろうなぁ。著者はかわいそうだなぁ。

今回も登場人物が非常にしっかりと設定されていて、一気に読んでしまえる一冊だ。
うーん、単に僕がこの筆者のスタイルというか空気感に慣れてしまったからかもしれないけれど、
あれだけたくさんの医学用語が出てきたり、「論理的」(とされる)な言葉のやりとりが続く
なかで、読ませる力はすごいと思う。しかも、上に書いた前作『ナイチンゲールの沈黙』と表裏、
というかまったく同時並行的に起きていたこの物語は、絶対ちゃんと前作を読んでおくべき。
中身をまったく知らなかったけれど、ちゃんと相棒にアドバイスもらってて良かった。

読後感はいいけれど、すこしばかり終盤は紙数の問題からか、急いで書ききった感じがある。
つまり、少し雑な感じがするということ。ただ、それを補ってあまりあるだけのスピード感が
気持ちいい。あ、あと噂の姫宮もすこしばかりようやく登場したしね(笑)。
「あーちょっと面白い小説を読みたいなぁ」という方には1日でさくっと読めるしオススメです。