狂喜乱舞ノワール・ワールド〜舞城王太郎『煙か土か食い物』

舞城王太郎の『煙か土か食い物』(画像下左)読了。

相変わらず「読ませる」作家ですね。筆力のある人です。テンポ良く言葉が紡がれていて、ストレスなく読み進めます。こんな話です。

ある日、俺の働くERに凶報が届いた。連続主婦殴打生き埋め事件。被害者は俺のおふくろ。腕利きの救命外科医・奈津川四郎が故郷・福井に降り立った瞬間、凄絶な血族物語が幕を開ける…。(「MARC」データベースより)

前のエントリーでロック・ポップバンド、ハンソンの『Middle of Nowhere』について触れてましたが、なんと!最後のクライマックスで無意味なくせになんだか少し象徴的に、まさに「キラメキ MMM BOP」が使われてました!っていうか、何だ、このジャケットは!!(画像下真ん中のジャケット!笑)

たくさんの人が死んだり、ドロドロと血が流れたり、狂喜乱舞な世界が苦手な人はともかく、それでも主人公・四郎の拠り所であるダンテの『神曲』を背景にけれどノワール感まみれの物語がギュッとあなたの気持ちを掴むはず。

さぁ、続いて「暗闇の中で子供―The Childish Darkness」。これまた前著に続いてページ数だけで1.5倍の満載の奈津川一族ストーリー。