年末の「ら」に命を吹き込む

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今年も残り1ヵ月。毎年「あっ」という間に過ぎている気がするが今年もまた同じ。今年というか、今年度はいろいろと近辺で人の移動がある。もちろん、今わかるのは「出ていく人」ばかりなのだけど、おそらく新しい年や年度が始まるとまた「入ってくる人」もいて、そうこうして毎日の日々が歩まれるのだ……ということはわかっているのだけれど、それでも例年以上に「移動」が多い今年は寂しくもあり。

サッカーも年末というのはひとつの「祭り」の時期で、天皇杯や高校サッカーなどの年末年始のお楽しみはもちろんながら、いよいよJリーグが佳境である。我らがアビスパ福岡も当初の予想通り(苦笑)、ギリギリまでギリギリの戦いをしている。最終戦に勝って、セレッソ大阪が引き分け以下ならJ2との入れ替え戦。負ければ、1年ぶり(笑)のJ2。いやはや例年ドキドキさせられることになる。明日2日がその決戦の日。言わずもがなの仕事なので、2時スタートのこの試合を見ることもできず悶々とすることになるのだろう。うーん、どーなるんだか。

もうひとつはすでに野球では始まっている「人の移動」もまた活発化する…ということで上のサイトは例年通り今年も作られた、「『ら』国内リーグオフ情報06-07」である。年末恒例で、運営されている人に心から感謝するページだ。

タイトルにある「ら」ってには、よく移籍を報じるマスコミ報道で「Jリーグ××の、○○選手、△△選手らが契約更新されないことに…」という言い方をされるのだけど、この「〜らが」という「ら」をとってつけられたもの。ここには、おそらく「サッカー選手が、選手生命、いや人生をかけて契約をするのに、有名人ばかり名前が出て、他の人たちは「ら」ですますってのはどーなのよ!!」という愛情が溢れているのだ。

ここには有名無名を問わず、移籍や退団するすべての選手に目を向けて掲載される。広く、サッカーファンは感涙なのだけれど、決してそれだけではない。

Jリーグという大きな世界の中で、ともすれば埋もれてしまう人たちひとりひとりの物語の一部、ほんの一部だけれども、それを救い出すのだ。そしてファンは彼らに新しい物語の息吹を吹き込む手助けをし、新たな関係性を構築する。捨象され、排除される物語に、周囲が新たな命を与え、育てる。中村俊輔中田英寿は確かにすごい、すごかった。けれど彼らだけではサッカーはできない。そこに関わる日とすべての物語の一部がここにある。

ネットならではのこの「ら」情報を僕は例年楽しみにしている。