空は高いのだ。

 13日の金曜日の大安吉日という西洋の怨念と東洋の祝福が混ざり合った日はとにかく心が重かった。6時間後には出発しなければいけないのだけれど、何も準備できずにいて……。でも、ようやく少し落ち着いた。何がどうなるか、何をどうするかはまだよく分からないけれど、たぶん、しばらくこんな状態が時々あるのだろう。人生、そんなもの。

 その13日の金曜日の大安吉日。髪を切りに行った。行きつけの美容院の美容師さんが晴れて独立に向けた第一歩を踏み出すということと、明日のWSのこともあって。仕事を無理矢理片して予約時間ギリギリに行ったお店で美容師さんにいろいろと今後の話を伺っていた。彼のすごく前向きな夢に向かう姿勢とやる気に自分が少し痛めつけられながらも、すごく眩しくて羨ましいとも思った。おそらく、今のお店で働く方がお客さんもついているし、仕事も少しは楽なのだろうと思うけれど、そうじゃない道を選んだ彼。僕は福岡にいる限り、今のお店に通い続けるだろうとは思うけれど、時々は彼が頑張っている姿をこっそりと覗いてみたい気持ちもある。

 「Mさん、頑張ってください」帰り際、彼にそういうと、照れたように、でもとてもいい笑顔で「ありがとうございます」と言っていた。いろいろと大変なこともあるけれど、あの笑顔でしばらくはがんばれそうな気がします。こちらこそ、Mさん、ありがとうございました。あ、店長さん、彼がいなくなるのはすごく痛いでしょうけど、素敵な人と一緒に仕事をしていたんですね。

 今日もすごくいい天気でした。空は高くて高くて高いのだなぁ。