「NGOは悪の組織である」理論(笑)〜岡田斗司夫『「世界征服」は可能か』

「『現実に世界征服してみたらどうなるか?』を具体的にシミュレーションしてみた本」が登場。

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)
岡田 斗司夫
筑摩書房 (2007/06)
売り上げランキング: 45
おすすめ度の平均: 4.0
3 同じことの「繰り返し」こそ、子どもにとっては安心できる面白さ、なんじゃ?
5 ありそうでなかった本
3 劇的に面白い本:最終章を除く

とにかく、これ必読です。かなり面白い。
「本当に世界征服は可能なのか」を自分が征服するつもりになってまじめに考えた本が、これ。
馬鹿でしょ。男って大人になっても馬鹿でしょ。わはは。

第1章では世界征服の目的を考える。岡田氏曰く、世界を征服することが目的になってしまうと、
制服が成功しちゃったら「燃え尽き症候群」とでもいうべき状態になって困ったことになるからだと。
続いて、どんなタイプの支配者なのか?について以下の4つから選択。
A. 魔王タイプ B. 独裁者タイプ C. 王様タイプ D. 黒幕タイプ
そして最後に世界征服のプロセスについて確認するという内容。

最終章では、この「世界征服」ということを通して今の世界を見る。
つまりはこの本の本来の(?)目的がここだ。ただ残念ながら、そのくせここが一番つまらない。
まぁ、この章がなければないで困ってしまうわけだけれど。

岡田氏はいう。世界を支配しようと思えば、経済と情報の自由化を否定するしかないと。
つまりは、自由経済とネット社会を否定しろと。安直でしょう?(笑)
さてはてその理由は何なのか?ということは是非興味があれば読んでください。
いや〜。安直がゆえに、面白い。

で、このエントリーのタイトル。NGOが悪の組織であるか否か。
岡田氏はいうわけです。「世間で悪ぶって、破れたジーンズとか履いてパンクロックをとか
聴いてる兄ちゃんは」、ぜんぜん「反社会的」な行動や思想を持っていないんだと。
そして、「新時代の「悪の組織」は、おそらくボランティア形式で、人と人との交流がメインと
なる」かもしれないといいます。だって、岡田氏が定義する「悪」は、「その時代の価値・秩序
基準を破壊するもの」であるからです。さぁ、NGOは悪の組織なんでしょうかね。