これくらいが好き〜海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』

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 『チーム・バチスタの栄光』に続いての海堂本2冊目『ナイチンゲールの沈黙』を読了。同じく海堂本である新刊『ジェネラル・ルージュの凱旋』を相棒が読んでいるという、前回同様の経緯で無性に読みたくなって古本屋を回ったものの、やっぱり新刊が出たせいか、ちっとも並んでいない。あまりに探しまくるとホントに欲しくなるわけでamazonの古本で無事購入。『チーム・バチスタ…』と同じく愚痴外来のグッチーこと田口とロジカルモンスター白鳥のコンビによる2作目だ。

ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊
宝島社 (2006/10/06)
売り上げランキング: 4883
おすすめ度の平均: 3.0
3 ちょうどいい白鳥加減
1 無惨・・・。
2 なんと言えばいいのか

…と上のamazonの評を見てもらうとわかるように、「欲しい!」と思って調べたところ、何とも評判が悪いこの2作目。「無惨・・・」だとか「〜だけど…」なんていう評価が並んでいて、少し注文するとき萎えてしまったのも事実。まぁ、野球選手とかJリーグ選手の2年目ってのがダメダメな場合が多いのと同じように、小説家もまた下手に売れて忙しくなって文章への集中力も欠けてくるんでしょうかね?少し萎え萎えなまま届いた小説に遅ればせながら手をつけてみたわけです。内容はこんな感じです。

東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌—網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。(「BOOK」データベースより)

 今回は少し不思議な感じの内容でした。医療という非常に厳格な科学の前にミステリー特有の「人の心」の不安定さと不思議さが相まって、けれど「脳」という人体においても非常に謎が多く残される部分を、「眼」と並んだ土台として紡がれる話はなかなか組み合わせの妙というか、個人的には面白かったんですよね。あと、相変わらず、一人ひとりのキャラクターが個性強く際だっていて、絶対にそばにいると鬱陶しいんですけど、話としては面白い。まぁ、人の話の中に出る「迷惑な人」というのと同じですね。

 そういえば、amazonの感想のなかに「ミステリーの要素が弱すぎる」「単なるメディカル・エンターテイメント」だというのがありましたが、僕はあまりミステリーミステリーしてるのが好きじゃないので、これくらいが読みやすかった。個人的には話の半分くらいで犯人が誰だかわかっていて、ストーリーが続いていくというのが好きです。皆さんはどうです? 個人的には『チーム・バチスタ…』よりもこっちの方が好みかも。

 …と今日は、小説読んだりしていたものの、やはり明日の授業準備をずーっとしてました。授業準備の方は、なかなかいい感じに進んでいて、明日授業するのが楽しみな感じです。毎回、こんな具合で進められるといいんですけど、なかなかそうは問屋が卸してくれないですね。ええ。