空中キャンプの言葉と音の世界
この間買ったsnoozer』の12月号の特集「日本のロック/ポップ・アルバム究極の150枚」をパラパラと読んでいた、やや天気の悪い土曜日の昼下がり。第2位に輝いたCDの記事を読みながら、「あ〜、久しぶりに聴きたいなぁ」とゴソゴソとちょっと前に相棒に大いなる助けをもらって整理したCDボックスのなかを探す。
「夏」なら
難しいことは考えず
このアルバムタイトルが堪らなく素敵だなぁ。「空中キャンプ」。基本的に仮面ライダーとか、漢字+カタカナの組合せって見ていて個人的にワクワクする。しかも前者と後者の繋がりがなけばないほど、そのセンスが問われるってモノで、そういえば、以前、ダウンタウンのまっちゃんとかがそんな「大喜利」やってたなぁとか思い出しながら、CDをセット。
よくわからないまま、雑誌やなんやらに言われるがままに聴いた時を思い出す。これを聴いてまもなく留学してしまった僕は当時大流行だったブリティッシュロックへと傾倒していくわけだけど、フィッシュマンズの中心人物、佐藤伸治氏が心不全で若くしてなくなったという話をどこかで聞いて、しばらく思い出したかのように聴いていたのも、もう7年くらい前。僕は佐藤氏がなくなった年にもうすぐ到達しようとしている今、このCDをスヌーザーで思い出したのはなんだか不思議な縁のような気もする。
初めて聴いた留学前、佐藤氏の死を知って聴いたとき、そして今。もう10年以上前になるこのCDが作られた時と世界も僕も大きく変わっているはずなのに、未だに心に染みいるものがある。どこかしら新しく感じるところもある。相変わらず、この種のアルバムが、チャートを賑わすだけの音楽状況に日本はないわけだけれど、スヌーザーを初めとして、結構な数の人がずっと心に、耳に残っている音楽であるのは間違いない。
初めて見たフィッシュマンズのウェブサイト。佐藤伸治氏の本があるってのを知った。また是非見てみよう。彼のどこかはかなくけど心の強い言葉を読みたいと思ったから。
ビー球みたいなきれいな目