レディオヘッドの新作"In Rainbows"を聴く

今日は予定通り?自宅で授業準備に勤しんだ。前期=春学期も同じように自転車操業な授業準備をしながら思ったのだけど、きちんと体系的にまとめて話をしようと思うと、「知っている」というだけではどうしようもない。しかも講演のように基本的に1回こっきりで終わるようなものであれば、洪水のような情報を次から次に浴びせかける方法でなんとかクリアできることもある。けれど、10数回同じテーマで話をするなかでは、普通に考えても全部でまるまる1日分の時間話をしているようなものであるわけで、さらには「試験」というものがある以上、何かしらオーディエンスに残さなければならないものも出てくるわけで、より神経をとがらせることになる。しかも「先生」とか呼ばれる世界だし……とか考えたり、考えないでいようとしたりしながら、本棚から次から次に資料を取り出しつつまとめる。ちなみに今回は世界銀行のこと。授業でやらない限り、学生は基本的には勉強しないよなぁ、こんなこと。

ずっとパソコンと本を取っ替え引っ替えに、わやくちゃと作業をしながら、iTunesに入れてる音楽を繰り返しながしている。ちょっと前にあった友人の結婚式のDJ用に(結局声をかけられながら、まったくする機会もなかったけどね)取り込んでおいた曲とかが、今4時間弱入っているのだけど、最近ダウンロードしたのが、Radioheadの最新アルバム"In Rainbows"。EMIとの契約を終え、新しいレーベルと契約することもなく自分たちでウェブ配信でこのアルバムを発売した。なんでも発売日(10日)から3日で120万ダウンロードしたという話もある(VIBE-NET.comニュース)。しかも購入金額は購入者自らが決めて購入できるという画期的な仕組みで、つまりは0円でも彼らのアルバムを手に入れることができるというわけだ。

ちなみに僕は日本で洋楽アルバムを購入するくらいの金額で購入した。うーん、もっと出しても良いかなぁとも思いつつ、普通の感覚で…と思ってそのくらいに。ダウンロードはZIPファイルなので、これをやりとりすることもできるんだろうけど、上にも書いたように0円(ポンド)でも購入可能なので、そこまでする必要もない。iTunesがないと…とか、OSがどうとかそんなデジタルデバイドは一向に関係ないところもまた彼ららしい。ちなみに、どうしてもCDで欲しいという人は40ポンドで購入可能。9000円ちょっとかな?少し高いけど、CD2枚組らしいので、これはこれで確かに欲しいかも。

さてそのアルバム"In Rainbows"。レディオヘッドの確実な音楽的進歩を感じることができるものになっている感じだ。ポストロックなどと言葉遊び的に取られがちだった"KID A"以降の彼らの音楽が確固たるものであったのだということを、僕なんかでも実感することができるような1枚になっているように感じる。何がどう…というのは、うまく説明できないけれど、僕のいるこの場所に共にいながらにして崇高な気持ちにさせてくれる、ゆったりとした高揚感に包まれる(語義矛盾?)。可能性というのは確実に僕ら一人ひとりにあって、それを高めることができるのだろうなとどこかしらで強く感じる。言葉でいちいち説明されなくても(歌詞がわからなくても)そういう思いをきっと共有できるはず。「虹のなかで」皆さんは何を感じるだろうか?

やはりレディオヘッド。とてつもなく素敵なロックバンドだ。