毒グモとこども病院

 おととい福岡で毒グモ、セアカゴケグモの成虫と卵が見つかった。

 特定外来生物に指定された毒グモ「セアカゴケグモ」が11日、福岡市東区の香椎パークポート内「みなと100年公園」と人工島(東区)コンテナターミナルで十数匹捕獲され、卵も十数個発見された。10日にも同公園で2匹が捕獲されており、市港湾局は「昨年も人工島で見つかっているが、繁殖範囲が広がっており、定着している可能性がある」とみている。
 セアカゴケグモは体長約1センチ。背に赤い帯状の模様がある。かまれると発汗や吐き気などを催すことがあるが、重い症状の事例はないという。港湾局は11日、同公園内の駐車場付近の側溝などと、同ターミナルのコンテナ置き場で発見した。
(以下略)【西日本新聞

 福岡市は12日、同市東区の半径約1キロ内にある公園や学校などで、有毒のセアカゴケグモ計約700匹を見つけ、駆除したと発表した。人がかまれるなどの被害報告はないという。
 今月10日に東区の「みなと100年公園」で2匹が見つかったことを受け、市は周辺の香椎浜公園、市営城浜住宅など計7カ所を調査。排水溝の側面や公園のベンチの裏などで生息を確認した。
 セアカゴケグモ特定外来生物で、オーストラリア原産。今回の調査で数百個の卵も見つかっており、繁殖が進んでいるもよう。近くにコンテナターミナルがあり、市は輸入貨物に紛れて入ってきた可能性があるとみている。
(以下略)【MSN産経ニュース

 毒グモが見つかった場所はこの辺り。

 さらに上の記事にはないが、西日本新聞の「九州動物ランド」というほのぼのしたページには「同市では昨年10月に人工島(東区)のコンテナターミナル内で九州で初めて同クモが見つかっている」とも紹介されている。

 おなじ12日の西日本新聞ではこういう記事がある。

こども病院移転 論戦がスタート 福岡市議会9月定例会開会
 福岡市議会の9月定例会が12日に開会、市は一般会計補正予算案など51議案を提案した。こども病院・感染症センター(同市中央区)の人工島(同市東区)移転整備をめぐり、市は補正予算案に47億2500万円の用地取得費を盛り込んだ。市民や市内の医師に移転反対の動きがある中、移転の是非や取得面積の根拠などで論戦が交わされそうだ。
 吉田宏市長による提案理由の説明後、各会派の議案質疑がスタート。共産党の中山郁美市議は、「こども病院の移転反対で約18万筆に上る請願や陳情署名を無視し、市は強引に事業を進めている。取得する3.5ヘクタールの敷地面積(の根拠)も議論されていない」と批判した。
 こども病院の移転賛成方針に転じた自民党の光安力市議は「子どもから高齢者まで1つの病院として高度医療を構築するのが理想だ」と主張。自民党が打ち出してきた市民病院(同市博多区)との市立二病院の人工島「統合」移転が会派の基本姿勢であることをあらためて示した。
 吉田市長は「現こども病院の老朽化、狭さは喫緊の課題。用地取得の議案に議会の承認をいただきたい」と答弁した。
(以下略)【西日本新聞

 まさにこども病院・感染症センターを作ろうとしているのが人工島。人工島を巡る問題は環境問題を中心に財政の問題までさまざまある上、患者を中心とした市民団体や小児科医らも利便性を巡って問題を提起している(西日本新聞記事こちらこちらなど)。

 そして加えてやはり問題だと思うのは、居住地や病院などがあるそばに海外との貿易を行うターミナル港があるということだ。小児科医らが「人工島は交通アクセスが悪く、緊急処置を要する母親と胎児・新生児を搬送するにはリスクが高過ぎる」と提言をしているが、さらに感染症センターもあわせ置こうとする場所に、今回のような毒グモに見られるような危険な場所が隣接しているというのはやはり考え直すべき問題を抱えているのではないか?と思わずにはいられない。

 18万筆に及ぶ請願・陳情署名を受けてもなお進めざるを得ない吉田市長は、自分がどうして市長に慣れたのか?ということをあわせて思い出して欲しい。市長を続けるために…と議会の多数はにすり寄る利権政治に埋没しているといわれても、なかなか言い逃れは難しそうだと思うのだけど、いかがでしょう?市長。

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