先週の授業の報告(6/3-6)

 先週の授業について報告します。やむなくお休みした人はチェックしておいてくださいね。

6月3日(火)
1限 国際協力論I(6回目)…前回の出席カードの質問にいくつか答えたあと、先週に引き続き、国際協力・開発に関する理論と歴史の2回目でした。1950年代末の南北問題という言説の登場からJ.F.ケネディ大統領のイニシアティブによって進められた「国連開発の10年」についての概要を中心として経済成長に強く視点を置いて進められた国際社会による取り組みです。トリックル・ダウンに代表される経済的な国力に焦点を当てた取り組みによる利点と問題点について整理し、その反省から生み出される貧困に窮する当事者に対する直接的な支援への流れについて話をしました。

2限 基礎演習[2年ゼミ](6回目)…今回も引き続き世界の状況について市民・NGOの視点から考えるテキストの輪読を行っています。今回の題材は、アルミ缶とホワイトバンド。私たちが普段の生活で毎日のように手にする空き缶ひとつから世界を考えることもできるし、知らないことが山のようにあることに気づいたことでしょう。またホワイトバンドはさすがに年々知っている人が減ってきているというのが現実ですが、問題点はたくさんあれど、あのキャンペーンが生み出した社会の動きというのは今でも残っているような気がしますね。次回は、05と29です。しっかり読んできてくださいね。

4限 国際社会論[非常勤](6回目)…最初にこれまで溜まっていた質問に答えながら、今後の話にも少なからず関係する国家/政府による国際協力・援助のしくみとして、ODA(政府開発援助)について簡単に説明しました。おそらく国際協力論などの授業で高学年の学生さんは学んでいるはずですが、リストを見てみると1年生もそれなりにいるようなので説明しました。その後、前回の続きとしてNGOの誕生と発展について話をしました。非常勤先のプロジェクターの使い方(正確には教室にあるパソコンの投影の仕方)が今ひとつわからず、レジュメと口頭での説明だけになりましたが、是非皆さん自分でもチェックしておいてくださいね。次回は、NGOの活動の種類についてお話しする予定です。


6月5日(木)
3限 NGO論I(7回目)…欧米のNGOの発展というテーマで、NGOの誕生のきっかけ別、また活動分野ごとに分けてNGOについて紹介しました。10近いNGOについてざっとホームページを参照してもらいながらの説明だったので、それぞれの活動がはっきりくっきりとわかった!というワケにはいかなかったかもしれませんが、今はそれで大丈夫です。今後のちょっと理論的かつ歴史的な話を聞くときに「そういえば…」と思い出してもらえるといいなと思っています。最後に近々予定しているレポートについてもお話ししましたが、おそらく今月末ぐらいを目処にしておいてください。あくまで予定…ですが。

5限 卒業研究[4年ゼミ](7回目)…引き続き、ゼミの学生の卒業研究論文の内容について大まかな話をしてもらいました。おやすみの人も少しいますが、ほぼこれで皆さんに話をしてもらいましたね。次回以降まずは1ヶ月間、自分のテーマを深める時間としましょう。それぞれがそのあとの途中経過第1弾である程度まとまった話ができるように準備していきましょう。

7限 国際協力論II(7回目)…国際協力のさまざまなアクターについて講義が続いていますが、国際協力に中心的に関わる仕事である開発コンサルタントについて前半お話ししました。「国際協力を仕事にしたい!」という人がなぜか将来のキャリアのひとつとして余り認識していない業種なのですが、関心のある学生さんには少しは参考になったでしょうか。また続けて、地方自治体の国際協力の役割についてお話ししました。欧米と日本の地方自治のあり方の違いということが国際協力(または国際交流)にもおおきく影響していますね。来週はそのなかでも積極的に国際協力・交流を実施している自治体の活動について具体的にお話をしたあとに、国際協力のアクターについて簡単にまとめたいと思います。…ということは、レポートが近いですねぇ。ええ。


6月6日(金)
5限 国際協力実践論I(8回目)…隔週で続いていたJICA九州さんからの外部講師による講義の3回目でした。ODAと市民・NGOの連携・協働というのがテーマでした。ODANGOというのは国際協力を概観するとき確かに2大テーマであるのですが、一般的には同じようなものだと思われがちですね。具体的にJICAによる技術協力事業のなかでODAがどのように市民やNGOとともに事業を実施し、またその考え方がどのようなものであるのか?についてわかりやすくお話ししていただきました。講師の方も仰っていましたが、こうしてまとめてJICAの活動について知ることができる機会があるというのはとても恵まれていることです。皆さんもいろいろと学んでくださったと思いますが、是非、九国大のすぐ横にあるJICA九州さんにも足を運んでみてくださいね。次回は、JICAに関する全体的な振り帰りを行います。またレポートの提出を忘れないようにしてくださいね!!

6限 専門演習[3年ゼミ](8回目)…間に2週空いてしまいましたが、テキストの輪読に帰ってきました。債務問題をテーマとした書籍を読んでいますが、今回は途上国が抱える債務問題がどのようにして生まれたのか?についてまとめてあるところを発表してもらい、説明、議論しました。経済的な内容が多いので、なかなか理解するのも難しいところもあるかもしれませんが(専門用語も含め)、今後の内容に大きく関係してきますので、今ひとつわからなかった人ももう一度読み直しておいてください。来週は第3章です。ゆっくりでも確実に国際協力のもう一つの側面である協力・援助による問題点としての債務問題について読み進めましょう。


 そろそろ梅雨入りのようで、これからしばらくの間は優れない天気が続くだろうと思います。体調管理には十分気をつけて、講義に望んでくださいね。僕もしっかり準備していきます。