フード・クライシス論議に忘れられがちなこと

 日曜日。ほぼ1日オフ。ただ夜から某NGOの臨時運営委員会に参加。助成金申請のための最後の打ち合わせだったのだけど、やはりお金をもらうってのは難しい。予算書とやりたいことを睨めっこしながら、今年の団体予算規模と比してかなり大きめな助成金を申請する。まぁ、もらえたらすごく嬉しいけど、なかなか難しいのは十分承知。どちらにしても、日本の政策提言NGO、地方の政策提言NGOの底上げだと思って、助成先が腰を上げてくれると嬉しいのだけど。

 夜遅くなって、結局今日の夕飯はアマゾンの熱帯雨林保全活動に重い腰を上げた某ファストフード店で購入(このことについては昨日に引き続き『国際協力・NGO情報ブログ』に書いたのでよろしければご覧あれ)。つまりはハンバーガーを食べた。なんでも日本人の8割は月に2〜3回は食べている計算らしい。それに比例するようにハンバーガー店の店舗数も今や全国に3500にのぼるらしい・・・ということが書いてあったのが金丸弘美著『フードクライシス 食が危ない!』。

 この本はタイトルにもある通り、日本の食の危機に焦点を当てていて、例えば帯には次のような紹介がある。

*食料輸入がストップしたら卵も肉も10日に1食
*日本で発見された狂牛病の牛は24頭
*餌まで考えると豚の自給率は5.3%
*日本の農業従事者の58%は65歳以上
*外食・調理済み食品は食生活の43.6%を占める
などなど。そして「食の自己責任時代がやってきた/あなたの食事は大丈夫」とある。

 食の問題が深刻であることは本屋さんに言ってみればよく分かる。それに類する本が山のように並んでいる。この本もザッと読んでみたけれど、確かに問題は深刻だ。

 ただその反面、こうした日本の食糧の問題を記す本に忘れられがちなのが、もはや1国で食料問題を考えようとするのはいかがなものか?ということだ。食糧安全保障という言葉が示す通り、人の生き死にに関わる以上真剣に考える必要があるのは事実だし、日本が先進国の中でも自給率が極端に少ないのも事実だ。ただ、僕はある程度自国で職業をまかなうことは考える必要があるけれど、同時に他国と如何に協調して相互依存関係深まる現代世界においてやっていくか?ということも同時並行的に考えなければいけないはずで、下手な食糧安全保障論議は下手な愛国心的なるものを生み出しかねないこともよくよく考えなければならないはずだと思う。

 まぁ、だからファストフード店でハンバーガーを食べてるわけじゃないけれどね。さてそろそろ寝ないとなぁ。明日はまたまた名古屋への日帰り出張なのです。おやすみなさい。