バンカーからNGOスタッフへ

ロンドンで起きているできごと。ロイターのウェブサイトより一部転載。

ロンドンの金融街、銀行マンが慈善活動家に転身
 英ロンドンの金融街シティーでは、金融不安を背景にした雇用削減の波を受け、多くの人が慈善団体での職探しに動いている。
 人材派遣会社フォーラム3によると、慈善団体は募金活動での役割を期待できる金融業界経験者を雇うことに熱心であり、以前に比べると高いと給料を支払うことも可能になっている。(中略)
 同社によると、過去数週間で約500人のバンカーが慈善団体での仕事を求めて同社にコンタクトしており、その数は前年同期に比べて30%増加。組織の大きさにもよるが、慈善団体の財務責任者になれば4万8000─9万ポンド(約900万─1700万円)の年収も期待できるという。(ロイター

 NGOで働きたいという人の多くはやっぱり途上国の現場で働きたいという人が多いのだけど、自国内でのお金を作ることや多くの人に知ってもらうための活動というのも同じくらい大切な活動だということを(自分がそこの出自だからというのもあるけど)、学生のみんなには伝えているつもり。企業とNGO、政府や国際機関とNGOの間の人材の流動性が高ければ高いほど、よりよい活動ができるとともに、透明性も高まり、信用に繋がっていくわけで*1、その意味で、英国の場合、きちんと給与の面でも裏付けできているというのは羨ましい限り。日本でこんなに給料もらっていたら、「NGO(NPO)のくせに」とか言われるんだろうな。NGONPO自身の努力*2も必要だけど、社会的な仕組みも大切だと改めて思う。

*1:もちろんそこには単なる同調ではなく、まさに双方の対立的信頼関係が必要となるだろう。

*2:同記事で人材会社の人が「慈善団体は質の高いスキルや適切な態度を求めており、ますます専門的なセクターになっている」というのはまさにそう。