なかなか面白い〜BS1『アフリカ支援は甘くない〜起業家8人の挑戦〜』


 今日から始まったBS1世界のドキュメンタリー」の<シリーズ アフリカ>。今月末のアフリカ開発会議の開幕に向けて、これからアフリカ関連のいくつかの番組が毎日のように放送されるようです。第1回目は4回シリーズの「アフリカ支援は甘くない〜起業家8人の挑戦〜」。こんな内容です。

イギリスの起業家8人がアフリカの村に3週間滞在し、村おこしに挑んだプロジェクトの過程を伝える4回シリーズの1回目。このプロジェクトは、国際的なチャリティー団体が企画したもの。応募者の中から選ばれた起業家たちが、それぞれ300万円ずつ出資しビジネスとしても成立する援助の在り方を探った。参加者一行は、ウガンダの首都カンパラから車で8時間、ルワンダとの国境にある村にキャンプを張った。その村で彼らは、栄養失調の乳児を見かねてその母親にミルク代を渡す。すると、ほかの母親たちが自分にも助けが欲しいとやって来てしまう。同行した同団体のウガンダ事務所の代表は、短期間の救援活動と、根本的な問題を解決しようとする長期的な"開発援助"とは全く違うと指摘する。
原題: The Millionaires’ Mission 制作: channel4(イギリス) 2007年

 「国際的なチャリティー団体」というのは、ワールドビジョンUKです。NGOのプロジェクトのひとつとして、起業家を選び、彼ら独自の視点からウガンダの村のさまざまな問題を解決する方法を探し、実践してもらおうという企画を立てて実践したもので、参加しているのは莫大な資産を持つ強者たち。メディアや旅行業、建設業やパブチェーン店の社長など、8人8様のビジネス観を持ち、それらを以下に協力しながら生かし、また実際にウガンダの村で成果を上げようとしているか?を4回にわたって放送するようです。その4人はこんなメンバー(勝手にウェブサイトから訳したので番組での標記と名前とか違うかもしれませんがご容赦)。

 すごいメンツですね。スティーブは我らがリバプールFCの大株主だったとは!昔、今はマンチェスターシティを買収した元タイ首相のタクシンがリバプールを買おうとしたときに、白人至上主義的な発言をしていたことがありましたが、今回の第1回目のこの放送でもかなりのワガママぶりと協調性のなさを垣間見せてましたね(苦笑)。

 第1回目は、そのスティーブが村人たちが生活時間の多くを犠牲にしてまで水くみに行かなければならない現状を何とかしたいと、水道(といっても水源からソーラーエネルギーを利用したポンプで生活する地域に水をくみ上げる方法)の設置にこだわり、一方、そのほかのメンバーは企業家であるがゆえにできることがあると、村の学校に宿泊施設を作り、英国の学生が休暇を利用してボランティアに来ることができるしくみを作り、現地にお金を落とすと共に、子どもたちに英語を教えるというプロジェクトを立案しました。さて、これがどのような形になるのか、3週間という限られた時間の中で、何をどこまでできるのか…とともに、一番の見るべきことは、外から入る「国際協力/援助」が、被援助者/地域にたいしてどのような影響を与え、またそこには文化や考え方の違いの存在があり、解決することができるのか?というところでしょう。実際、1回目から英国的なビジネス感覚で現地と交わろうとしたなかで発生した問題もありました。

 またトニーが病院である母親に個人的にわずかではあるけれど金銭的な援助を行ったことに見られた、「あげる」援助の問題も今後さらに展開されることでしょう。とりわけ、日本では文房具や中古衣料に代表的な「あげる」援助にばかり集中し、仕組みを生み出すための援助=協力の視点が十分にないというのが現実です。逆に、日本のODAの大きな特徴である円借款(有償資金協力)のような「自助努力」に対しては変な共感もあるという両極端な国際協力観にこの番組が与える影響も小さくないかもしれません。

 番組は4日連続で明日(7日)も午前0時10分から。見逃せません!

この子を救えるのは、わたしかもしれない

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