頂きもの
北九州市立大学の大平先生からご著書『国連開発援助の変容と国際政治―UNDPの40年』を献本いただきました。ありがとうございました。国際機関における開発援助の中心的組織としては世界銀行をイメージしがちですが、国連開発計画(UNDP)がその世銀の開発言説を向こうに張って「人間開発」という言説に代表的な国際協力の片翼を担ってきたことは間違い有りません。国連及びUNDPを中心とした国際協力の歴史、そしてその流れのなかで考える平和構築におけるUNDPの役割について、僕もきちんと整理しながら勉強したいと思います。
なお、概要は以下の通りです。
- 作者: 大平剛
- 出版社/メーカー: 有信堂高文社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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目次
はしがき
主要略語一覧
国際連合機構図
UNDP組織図
I 冷戦期における国連開発援助
第1章 UNDPの創設とその活動
第1節 UNDP創設にいたるまで
第2節 UNDPの設立とその後の改革
第3節 UNDPの活動と国連システム
おわりに
第2章 冷戦下における国際政治状況と開発援助
第1節 南北問題とトリクル・ダウン仮説
第2節 資源ナショナリズムと南北交渉の時代
第3節 累積債務問題と構造調整アプローチ
第4節 冷戦下での国連開発援助に対する評価
おわりに
II 冷戦終結後世界の新潮流──「開発の政治化」
第3章 冷戦構造の崩壊と国際政治経済状況の変化
第1節 冷戦の終結がもたらした影響
第2節 政治的コンディショナリティーをめぐる駆け引き
第3節 地球規模の諸問題と援助の調和化
おわりに
第4章 人間開発──UNDPによる新たな援助指針
第1節 人間開発による援助哲学の変容
第2節 持続可能な人間開発
第3節 「人間開発」概念の展開
第4節 人間の安全保障
おわりに
第5章 ガヴァナンスと「開発の政治化」
第1節 ガヴァナンスと民主化支援
第2節 UNDPとガヴァナンス
第3節 新たな概念の問題点と議論の行方
おわりに
III 平和構築の推進と国連開発援助
第6章 国連開発援助体制の構築
第1節 システム化の動き
第2節 UNDPの方向性
第3節 現地レベルのでの改革
おわりに
第7章 「紛争と開発」議論とUNDPの機構改革
第1節 紛争予防と開発援助に関する世界的な議論
第2節 UNDPにおける紛争予防のための組織改革
第3節 UNDPを中心とした紛争後復興活動の調整
おわりに
第8章 UNDPによる早期警報システムの構築
第1節 紛争予防と早期警報
第2節 国連における早期警報システムの構築
第3節 システム構築のための機構改革と機関間調整
第4節 南東欧におけるUNDP早期警報システム
おわりに
第9章 紛争分析手法の開発
第1節 紛争分析と開発援助の関係
第2節 UNDPによる紛争分析手法
第3節 世界銀行と紛争問題
第4節 紛争分析に関する機関間調整
おわりに
終章
あとがき
参考文献一覧
事項・人名索引