行動する開発教育へ

 先週末の土曜日、(財)福岡県国際交流センターの連続講座の最終回となる第3回「国際理解教育ってなんだろう?」でコーディネーターを務めました。今年に入ってコーディネーターは既に3回目で、1年前まで働いていたNGOでの中間支援活動を想起するような2008年の第1四半期でした。

 タイトルにあるとおり、テーマは「国際理解教育」。これは同センターが数年来活発に活動している「教室から世界をのぞこう」プログラムの改変を考えておられるようですが、地方自治体における国際理解教育のあり方について考える場であると同時に、もちろん県民の国際協力・国際交流への関わる場として設定されたようです。この日は、(財)PHD協会の藤野さんと(特活)沖縄NGO活動推進協議会の玉城さんのお二人が、それぞれワークショップを実践され、それを受けて後半にシンポジウムを行うというものでした。お二人とも、僕がNGOで働いていた頃からいろんな場でご一緒し、またお世話になっていた方で、大学の教員になってからもこうして仕事をご一緒できることは幸せなことです。それぞれ、藤野さんはインドのNGOの方から学んだというビー玉を使ったワークショップを、また玉城さんは沖縄という地域において移民を中心として地域と世界の繋がりを考えるオリジナルなワークショップをされました。どちらももちろん初めて見ましたし、体験もしましたが、「枠」にはまらない広がりのあるワークショップでした。

 開発教育(国際理解教育)の専門家ではない僕は、大学の授業でこうしたワークショップ(参加型・体験型学習)を取り入れるにあたって、実際いろいろと考えるところがあり、難しい部分もあるのですが、改めてお二人のワーク、そしてその後のシンポジウムのでのお話を伺いながら、考えるところが多々ありました。福岡でもこうした実践をされているグループや団体がいくつかありますが、それらの団体ともまた違った新たな視点で考える場になったのではないかと思います。

 こうした「教育」の場は、とかく「考えるきっかけ」のひとつとして捉えられがちですが、それはもちろんのこと、さらに「いかに実践・行動につなげるか?」というところまで進めるための第一歩である必要があるだろうと思います。単に世界のことを考え、知るというだけでなく、それが現実的に起こっている世界の出来事とリンクさせ、身近なところからどのような一歩を踏み出せるか?まで参加者に考える場所であるということが魅力的だなぁと思います。このあたりが福岡の団体にはない視点かもしれません。もちろん、それは藤野さんが住む神戸が体験した大震災、玉城さんが生活する沖縄という場所に起因した視点であることも大きいのかもしれませんが、例えば戦争や紛争、人権侵害などという「イシュー」にぶつかったときに、自由かつ具体的に動く視点を提供することができる開発教育(国際理解教育)でありたいと思うのです。

グローバル・クラスルーム

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