あけましておめでとうございます。

 2008年になりました。平成は20年だそうで、ひとつの区切りですね。

 平成に年号が変わった1989年は昭和天皇崩御で年が始まったとともに、ひとつの「時代」が終わり、3元日が過ぎたと思ったら、また平成という新しい「時代」の年明けが始まりました(昭和の最後の年である64年は、昭和元年と同じわずか7日間しかない「年」でした)。中学2年生から3年生へのこの年は大きな世界的な変化があった年でもありました。年末の特番でビートたけしが「1989年」という年を振り返りまた検証する番組を作っていました。2月の旧ソ連アフガニスタンからの撤退にはじまり、11月ベルリンの壁の崩壊、12月の米ソのマルタ会談など、第二次世界大戦以来続いていた、一連の東西冷戦構造の転換がありました。ちょうどこの多感な時期にこの「年」を過ごしたというのが今の自分に繋がっているような気もします。

 そこから20年、日本も世界も大きな混乱の中にあるようにおもいます。東西冷戦構造の終わりとともに「国」という枠組みが融解してきたことが混乱の原因でもあるかもしれませんが、その一方で、私たちひとりひとりの人間が重要な役割を果たすことができるという時代に変わってきた年月でもあるような気がします。

 戦争や紛争という直接的な暴力のみならず、貧困や環境破壊など間接的な暴力(=構造的暴力)にさらされ、わたしたち、地球上で生活する人間が抱える問題は以前として存在しています。「国」やそれに類するものにとらわれない本当の意味で問題解決に繋がる「働き」を考えながら、また1年過ごしていきたいなと思っています。国際協力、NGO、市民社会というキーワードは今後もとても大切なものになるだろうと思います。

 去年は私生活で大きな変化のあった年でした。それはとても幸せな変化であった一方で、大きな責任も感じる一年にもなりました。まだまだ一歩一歩、仕事や研究、勉強を地道に積み重ねることがとても大切な時期だとも思います。直接的に関わる学生さんはもちろん、NGO関係者、また職場や研究に関係したり、しなかったりする、とにかくさまざまな人たちとともに、上に書いた問題意識をもって、色々と楽しく、面白いことをしていけるといいなと思っています。

 今年もどうぞよろしくお願い致します。皆さんにとっても僕にとっても素敵な一年になりますように。またお会いしたときには色々とたくらみましょう。良いお正月を。