世界陸上とテント撤去

明日…というか、今日から始まる「世界陸上」。TBS系ではもうこの話題ばっかりですね。
ふと思い出したのでメモ的に引用。

…2006年には、1月20日に靫公園・大阪城公園でテント撤去の行政代執行が行われている(行政打執行とは行政上の強制執行の一種)。これ以降、釜ヶ粼近辺の公園で「行政代執行」という手続きを省略して、「承諾書」を否応なしに書かせて形式上「本人の同意のもとに」撤去するという手法が急速に進められている。この方法で、10近い公園の50件前後のテントが撤去させられた。そして、2006年12月31日は「世界陸上」が開催される長居公園での立ち退き期限が切られ、2007年2月5日に再び行政代執行によるテントの撤去が行われた。(……中略……)そもそも、公園などから追い出されても、野宿者は他の公園や路上で寝るしかないのだから、何の問題の解決にもなっていない。引っ越しをさせられ、新たな場所で生活をやり直さなくてはならない野宿社が苦しいだけである。行政は「不法占拠」を理由に野宿者を排除しているが、「不法」を言う前に、行政自身が憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」あるいは生活保護法を遵守して、「究極の貧困」である野宿者に最低限度の生活保障を行うべきではないだろうか。(生田武志ルポ最底辺―不安定就労と野宿』ちくま新書,p.166-169)

明日、その長居公園のある長居陸上競技場をスタートする男子マラソンから世界陸上
始まります。

ルポ最底辺―不安定就労と野宿 (ちくま新書 673)
生田 武志
筑摩書房 (2007/08)
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