「日本”以外全部”沈没」のブラックさはウケるか?

日本以外全部沈没―パニック短篇集 草なぎ君は感激して土曜日に映画『日本沈没』初日を迎えたようだけど、この映画のプロモーションの凄さに圧倒されつつ辟易している人には上のパロディ映画『日本以外全部沈没』をオススメ。筒井康隆原作の『日本以外全部沈没―パニック短篇集』(集英社)を映画化したもので、製作・脚本・監督は『いかレスラー』『コアラ課長』などの河崎実。この顔ぶれだけでかなりの面白さの期待値は上がるね。

 とはいえ、本家もパロディもロクに知らないので(本家は今ヤンサンで連載してるやつを読んでるくらい)なんともいえないけれど、アメリカ大陸が1週間で沈み、その一週間後には、中国大陸が沈没を始め、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸が沈没。地球上から日本以外のすべての陸地が沈没してしまったという設定。沈没する国から難民が日本に押し寄せる。そんななか誰も文句を言わなくなった鯨肉が復活し、英会話学校が潰れ、ハリウッドスターがエキストラでテレビに出演する。一方、外国人が増え、同時に自らの国が残った日本人が優越性を感じ、彼らへの蔑視が目に見えて現れてくる。ついには、超法規的措置として「外人アタックチーム(GAT)」が作られ、『不良』外国人を次から次に逮捕し、国外追放されるという(いったいどこへ?)。しかし、その日本も……。

 なんともブラックな設定ではないか。ついでにこれがどんな結末を迎えるのか考えるだけで、いや、よい頭の体操になる。はてさて、これは結局福岡で見られるのか、それともビデオ化待ちか。どちらにしろ、今の日本の風潮としてはどちらもメジャーで作られたとしても『日本沈没』の方が圧倒的に支持されるんだろう。そうそう、結果的に単純明快な「愛国心」を揺さぶられるのだろうから。その意味では全く映画見てもいないけど、さらにパロディな位置に置かれてるけど、『日本以外全部沈没』の方を支持すべきだよな、うん。

『日本以外全部沈没』オフィシャルサイト