人間の面白可笑しい悲しさ〜『さよなら、さよならハリウッド』

【新品】RICOH GR DIGITAL あいかわらず変な天気が続く。台風が過ぎ去って少しは落ち着くかと思いきや、なんだか気持ち悪い空気が体にまとわりつく。そんななか今日は少し早く家を出て仕事で福岡まで来られていたFさんと、Fさんの団体TシャツデザインをされたIさんのお引き合わせをかねてお昼をご一緒する。個人的にはかなり興味深い2人のご対面でしたが、実際はどうだったでしょう? Fさんに最近(といっても先日名古屋に行ったばかりでそれ以降…ということだけど)のNGO業界の話を聞いたり、「ファシリテーション」「開発教育」「参加型」とは何か?ということを改めて聴いたり。彼の話はストンと落ちてくるからいつもいろいろと考えさせられる。まぁ、前日夜に中州のお店で盛り上がったエロ話もしっかり聞きましたけどね。ちなみにFさんの写真はポストカードにもなってます。なんでも最近RICOHのGR DIGITALをゲットしたらしく、カメラ3台でアジアを飛び回っておられるようです。このGR DIGITALはリンク先にもある通りマップカメラで6万円をようやく切る程度で人気機種。半年前の価格であと2万安ければなぁと思ったり思わなかったり。ちょっと羨ましい機種をお持ちです。

さよなら、さよならハリウッド 最近映画づいているというわけでもなく、単に105円で借りれるときに一緒に借りてきてただけだけど、この間はウディ・アレン監督作品『さよなら、さよならハリウッド』を見た。2002年作品ながら、日本では昨年春に公開。で、僕はようやくビデオで鑑賞。

 かつてアカデミー賞を2度受賞した巨匠でありながら、その神経症的で難しい性格であるがためにCM制作で食いつなぐ毎日を送る映画監督バル(ウディ・アレン)が、かつての連れ合いの推薦で6000万ドルを超える予算規模のハリウッド映画の監督を務めることになる。連れ合いに恨みと未練が入り交じってたっぷりななか、引き受けた映画製作だが、クランクイン直前に心身性の失明症にかかる。映画の撮影はそのなかでも続けられるが・・・なんて作品。

 ウディの洒脱な皮肉のバッチリ効いたトークは相変わらず。目が見えないことを大袈裟に演じず、淡々と「あるある!」と肯いてしまうような失敗を積み重ねていく姿を見ていると、心因性失明と「かつての巨匠」という肩書きの寂しさを痛いほど感じるのだけど、バカバカしい様を積み木を積み重ねるように繰り返されると、なるほど、人というものはこれほど面白可笑しく悲しい存在でもあるのだなぁと改めて思うのだ。かつての(というほど彼の作品を見ているわけではないけれど)クールな言葉遣いと、ドタバタなおかしさの満足さを求めるならば、ガッカリするところもあるのだろうけど、年老いてもなお、ウディ節が楽しめるのは間違いない。

 ちなみに原題は「ハリウッド・エンディング」。失明を負いつつ映画を撮る監督の最後、そしてこのストーリーのラストは、あまりにこの原題が当てはまりすぎて「ククククク」とついつい笑ってしまうことは間違いない。なるほど。これが「さよなら、さよならハリウッド」なのだな。