油山の研修所と水問題

 予定通り早起き(といっても午前9時半だけどー笑)して、来月開発教育ファシリテーター養成講座を行う会場の「油山青年の家」という公共施設を視察がてら訪ねた。九州大学六本松キャンパスの隣の油山観光道路をひたすら南に進むと油山にぶつかり、そのなかの研修施設である青年の家は、自然たっぷりな場所。バスも上がってくることもなく、一番近い停留所からは徒歩20分の林道を歩いていくらしい。もちろん、僕たちは車で一気に上がったけど(笑)。山の斜面を利用したこの施設はなかなか面白いしくみだ。今から宿泊が楽しみ。

 ちなみにこの研修施設までの道のりのなかで、所々に「大量の地下水くみ上げ反対!」といった張り紙が沿道の家々の壁や木に貼り付けられていた。なんでも油山へのぼる道筋にあるホテル(確か「ホテル城」という名前だったと思う)がでっかい浴場を作ろうとしているらしくて、そのお陰でこの辺りの生活用水の大部分を地下水に頼っている人たちが異議申立をしているようだ。ただ、ちょっとググってみたものの、そうした情報はネット上にはない。おそらくあの辺りに住んでいる人たちが地道に頑張って活動しているのだろうが。そして恐らく、雰囲気から感じられるのは、ホテル側が住民の声をハナから相手にしていないだろうということ。同時に、その間に立つ人間も存在しないのだろうということ。

 国際協力NGOに関わっていると、こうした地元の問題がありながら、どうして「途上国」での活動に従事するのか?ということをよく聴かれる。別にどこの国であろうが、問題意識を持ったのが他の国だった・・・というだけであろうが(・・・と伝聞的な文章を書くのは僕自身が日本の援助政策への政策提言活動に重きを置いているからなのだけど)、地元を省みることも大切だと改めて感じる。とはいえ、今自分にそこまでの余裕がないのが正直なところ。とりあえず、詳しい事情をご存じの方がおられれば情報を下さい。